和名選定委員会討議録
日本寄生虫学会用語委員会
寄生虫学用語委員会委員長
佐藤 淳夫
このたび日本寄生虫学会の“寄生虫和名表”[寄生虫学雑誌,44(10), PP.493-512,1994.]が公刊された.平成2年の選定作業開始から5年間を費やしたことになる.この間,用語委員の方々,並びに会員の多くの方々からの御意見を頂き,公刊に至り得た事を深く感謝している.
一方で、学会としては過去にも数度にわたる和名選定が行われた歴史があり,其の際に行われた詳しい討議内容が残されていれば、今回の和名選定に甚だ有効であったろうことが痛感された.従って,今回の選定がほとんど白紙状態からの出発であった事を反省するとともに,今後の和名にかかわる諸問題のスムーズな解決に寄与出来る参考資料となることを期待して,本“委員会討議録”を作成する事を企画した.
幸いに,選定作業の当初から,ワープロ編集を行って,各委員,会員からの情報・意見を全てワープロ編集し,討議の資料として整備するとともに,意見の集約を図った経緯があるので,全討議内容を編集することは比較的容易であり,委員会でも“委員会討議録”の作成とその保管が支持された.
本“委員会討議録”が会員諸氏により大いに活用されることを心から期待している.
(平成7年5月記)
| 今井 壮一 | 影井 昇 | 金田 良雅 | 木船 悌嗣 |
| 小島 荘明 | 町田 昌昭 | 佐藤 淳夫 |
| 今井 壮一 | 影井 昇 | 町田 昌昭 |
平成元年(1989)4月の用語委員会において,[現在進行している用語の整理]作業のみならず,[和名の選定]も急務とする,との提案がなされた.この提案に対し用語委員会とは別に[和名統一委員会]を設定するのではなく,用語委員会が[和名選定]を行う方針が確認され,この用語委員会における確認事項は,学会幹事会に計られ,平成2年(1990) 4月の第59回寄生虫学会総会(福岡)における用語委員会から正式の議題として取り上げられ,今回の和名の整理作業が開始された.
作業は,各用語委員が分担して,原虫,吸虫,条虫,線虫の収載すべき寄生虫種とその和名を申告し,リストアップしたものを,再び各委員に配布し,それに対して追加するもの,並びに和名についての意見などを数次にわたり討議がなされた.平成4年(1992)2月に[和名素案]が作成され,更に詳細な検討を要するとして,専門小委員会に付託することになった.
専門小委員会には,今井壮一,影井昇,町田昌昭(世話人:影井)の3氏を委嘱することが同年4月の第61回日本寄生虫学会総会(東京)において承認され,委員会の作成した[和名素案]についての検討を開始した.
小委員会では,選定の範囲(種名)の確定,その他の基本的な選定事項を設け,和名表の作成に着手した.少なくとも年1回,委員長を含めて学名・和名についての討議が行われ,更に年数回にわたり小委員会委員間での資料の送付による検討・意見交換を行い,その進行状況を毎年の総会時の用語委員会の討議資料として提出し,全委員からの意見を求めた.
平成6年(1994)4月の第63回日本寄生虫学会総会(秋田)における用語委員会の席上,2・3の問題点を残して,印刷についての委員会のコンセンサスが得られたことから,評議員会並びに幹事会に計って,問題点の訂正を行った後に,[和名表]として寄生虫学会雑誌に掲載される運びとなった.
寄生虫学雑誌44巻6号の本印刷には,[和名表]の他に,[選定メモ]の項目を設けて,学名・和名の選定の簡単な経緯を記したが,委員会としては,これまでの用語委員会並びに小委員会での論議の全内容を[委員会討議録]としてとりまとめ,今後寄生虫学会員が学名・和名についての疑問,問題点を抱いた場合に利用される必要性を考えた.
尚,本[委員会討議録]は,印刷公刊が出来ないので,[コピー製本]とし,
寄生虫学用語集:(寄生虫学雑誌,40(5), pp.461-513, 1991)
寄生虫和名表: (寄生虫学雑誌,44(6), pp.493ー512, 1994)
の別刷と合本製本したものを,各用語委員と寄生虫学会事務局に配布し,会員の活用の便を計るとともに,国立科学博物館,目黒寄生虫館並びに予研病原微生物検出情報編集部の3ケ所に所蔵をお願いした.
情報処理広報委員会より
今回の改訂にあたり,用語委員会佐藤委員長から和名選定委員会討議録を一括して閲覧できるようにとの要望がありました。しかしながら,htmlファイルとして公開するにはファイルが大きすぎ,サーバへの負担が大きいため,ftpにより学会サーバからダウンロードする方式を採用しました。text形式ファイルは学会サーバ(産業医科大学医動物学教室に設置)にあります。以下のボタンをクリックしてください。
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本[委員会討議録]の編集には,当初から各委員から提出される資料や,会員からの意見などをパソ゚コンに入力して,極力散逸しないように配慮した積もりではあるが,最終的な編集には影井委員を始め小委員会の各位の絶大なご努力により,纏めることが出来た.
その最終点検の中で,
1.委員会の討議の中で採用することで合意していた筈が原稿から漏れた,下記の吸虫 2種のあること.
Centrocestus armatus (Tanabe, 1922) Price, 1932 和名ナシ
[人体寄生ありCentrocestus formosanus (Nishigori, 1924) Price, 1932 和名ナシ
[人体寄生あり.
2.委員会に採用を提案されたが,取り上げられなかったもの(原虫,8種;条虫,9種;線虫,4種;線形虫,2種)についての記載を追記すべきこと.
の2点を,本討議録に明記すべきことに気付き,該当個所に纏めて追記し,次期[和名表]の改定時に追加登録することで対処した.
本委員会は,昭和63年に改組,新委員会として発足し,用語集の整理・再刊と,和名選定作業とが最大の使命であった.ここに約8年間を費やして,両者を締めくくる事が出来た事に深い感慨を抱くとともに,終始御協力を頂いた用語委員会諸先生並びに会員の諸氏に厚く御礼を申し上げる.
和名選定委員会討議録
平成 7年 8月 31日 製本
日本寄生虫学会用語委員会
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